腎臓に配慮したドッグフード選びについて

腎臓に配慮したドッグフード選びについて

愛犬がシニア期を迎えたり、獣医師から腎臓に配慮したご飯選びを勧められた場合、一般的な対策として「たんぱく質制限」という考え方があります。

その反面、低タンパク質なフードを選ぶことで、体の健康を維持してくれる様々な栄養素を、同時に失ってしまう可能性があることも見逃せません。

僕がいつも店頭でお伝えしているのは、たんぱく質の制限を一気に行うのではなく、徐々に与えるフードのタンパク質量を下げていくという方法です。

しばらく与えてみて再検査を行い、問題がなければ必要最低限のタンパク質を摂取でき、問題があればさらにたんぱく質量の低いフードを選んでいく。

このアプローチももちろん有効ですが、もう一つ、腎臓に配慮したご飯選びでお悩みの皆さんにぜひトライしていただきたいことがあります。今回はその内容について詳しくお伝えします。

なぜタンパク質を制限することが腎臓に配慮するということなのか

K9NATURAL公式サイトのコラムを引用します。

"腎臓は、血液中の不要な栄養素などの"老廃物"をろ過して取り除き、きれいな血液として血管に戻す、という大きな役割を果たしています。

その他、血圧や体液量、ミネラルバランスなどの調節や、血液や骨をつくる働きにも関わっている、小さいながらも、とても重要な器官です。

その中でも、主要な役割の「血液をろ過する働き」は、とても重要で、これには、摂取する食事の内容が大きく関わっている、とされています。

では、血液の中の"老廃物"とは、いったいどんなものなのでしょうか。

動物は、体を動かすための「活動エネルギーの生産」や、生きていくために古い細胞を新しい細胞に入れ替える「細胞の新陳代謝」を体内で毎日、行っていますが、そのためには、食事から摂取した栄養と、その栄養の中のタンパク質から作った「酵素」を利用して、体の各器官の細胞の中で『代謝』という化学反応を起こし、それらの生命活動をしています。"老廃物"とは、その『代謝』の際に生じた"副産物"や、使い切れなかった"余分な栄養"などのことを指します。

"老廃物"は、『代謝』が起きると必ず生じるものなので、その『代謝』自体を減らして"老廃物"も減らしてしまおう、とする直接的な考えが、これまでの一般的な、悪くなった腎臓への対症方法とされてきました。

その際、やり玉にあげられてしまったのが「タンパク質」です。

「タンパク質」は、代謝される際に、"副産物"として毒性の強い「アンモニア」が生じるので、肝臓で「尿素」に変えられ、腎臓から排泄されます。

血液中に尿素が増えてしまえば、当然ですが、それを排泄するために、ろ過をする器官である腎臓の仕事量が増えてしまうので、「タンパク質」の摂取を抑えてしまおう、という理由です。

" 引用 = "腎臓への負担が少ない、やさしい食事(フード)とは? 腎臓の働きと「生食」"


腎臓は血液中の老廃物をろ過する重要な器官であり、その老廃物の多くは体内の代謝によって生まれます。

特にタンパク質が代謝される際には、毒性の強いアンモニアが副産物として生じ、肝臓で尿素に変換された後、腎臓から排泄されます。血液中の尿素が増えれば増えるほど、腎臓のろ過作業の負担が大きくなるため、タンパク質の摂取を制限することで腎臓の仕事量を減らそうというのが、タンパク質制限の基本的な考え方です。

しかしタンパク質は体を作り、健康を維持するために欠かせない栄養素でもあります。ただ制限するだけでなく、どのように工夫して腎臓への負担を減らしながら必要な栄養を確保するかが重要になってきます。

低タンパクなドライフードを探す前に

腎臓に配慮したご飯選びをする上で、もし可能であるなら僕がお勧めしたいのは「フリーズドライフード」です。

その理由を詳しくご説明します。

理由1:「結果的に」タンパク質を抑えたご飯

フリーズドライフードは表記上、高タンパクに見えることが多いのですが、給餌量が少ないK9Naturalなどのフードであれば、結果的に1日に摂取するタンパク質の総量を抑えることができます。

理由2:ドライフードに勝る「消化・吸収」

フリーズドライフードは吸収率が非常に高いため、体内で効率よく栄養が利用され、老廃物の発生を減らすことができます。

理由3:「意識的な」水分摂取につながる

腎臓に負担をかけないためには、水分摂取も大変重要です。フリーズドライフードはふやかして与えることが多いため、食事と同時に水分摂取を促すことができます。

このような理由から、低タンパクフードへ急いで移行する前に、まずはフリーズドライフードで愛犬の様子を見る期間を検討していただきたいです。

もちろん、獣医師の指導のもとで療法食が必要と診断された場合は、その指示に従うことが最優先です。しかし、まだそこまでの段階ではなく、予防的な配慮や軽度の腎臓ケアを考えている段階であれば、フリーズドライフードという選択肢は、愛犬の食事の質を落とさずに腎臓への負担を軽減できる可能性を秘めています。

【K9Natural】ビーフ・フィースト

実際に店頭でも、フリーズドライフードに切り替えてから愛犬の体調が安定したというお声をいただくことがあります。

低タンパクフードに移行することだけが答えではなく、食事全体の質を見直すことで、愛犬の健康をより良い形でサポートできるかもしれません。

低タンパクフードを選ぶなら「徐々に」

腎臓に配慮しながらも、体全体の健康維持に必要なたんぱく質をどれだけ摂取させてあげられるか。このバランスを見極めることが、愛犬の健康を長く守るための鍵となります。

そのために大切なのは、「様子を見ること」「徐々に変えていくこと」です。

急激な食事の変更は、愛犬の体に思わぬ負担をかける可能性があります。フードを切り替える際は、少しずつタンパク質量を調整しながら、定期的に獣医師の検査を受け、愛犬の体の反応を確認していくことが理想的です。

また、フリーズドライフードのような消化吸収に優れた選択肢も視野に入れることで、単純なタンパク質制限だけでは得られない、体全体の健康維持という視点からのアプローチが可能になります。

愛犬一頭一頭、体質も年齢も腎臓の状態も異なります。だからこそ、その子に合った最適なフード選びを、焦らず丁寧に進めていくことが大切です。

腎臓に配慮したご飯選びは、決して「制限すること」だけが目的ではありません。愛犬が必要な栄養をしっかりと摂りながら、腎臓への負担を最小限に抑える。そのバランスを見つけるために、ぜひ「様子見」と「徐々に」を意識して、愛犬に合った最良の選択をしてあげてください。

腎臓に配慮したご飯選びの相談もお気軽に

タンパク質を徐々に下げていく際のフード選びや、愛犬の状態に合わせた切り替え方法など、どんな小さなことでもお気軽にご相談ください。

当オンラインストアでは、一頭一頭に寄り添ったフード選びのサポートをさせていただいております。愛犬の健康を一緒に考えていきましょう。

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